「羊肉は臭みが苦手……」という人にこそ試してほしいのが、プロが実践する正しい焼き方だ。焼き加減と手順を少し工夫するだけで、驚くほど臭みが消え、肉本来の旨みが開花する。
まず、中央が盛り上がった専用鍋を煙が出るまでしっかりと熱し、頂点に羊脂を載せて全体に滑らせる。次に、鍋の縁の溝部分にモヤシ、玉ねぎ、カボチャなどの野菜を敷き詰める。ここが重要なポイントだ。肉を焼くのは、あくまで頂点付近の盛り上がった部分。肉から溢れ出た上質な脂と旨みエキスが傾斜を伝って下へと流れ落ち、溝の野菜を最高の味付けで炒め上げてくれる。
焼き方の最大のコツは「焼きすぎないこと」にある。特にフレッシュなラム肉は、表面にこんがりと綺麗な焼き色がついたら、裏返してサッと火を通す程度のミディアムレアがベストだ。加熱しすぎると肉の水分が抜けて固くなり、羊肉独特の脂の酸化臭が強調されてしまう。短時間で手早くサッと焼き上げることこそ、芳醇な肉汁を閉じ込め、臭みを一切感じさせないプロの技なのだ。