長楽館が多くの旅行者から熱狂的な支持を集める背景には、単なる高級ホテルにはない「本物の歴史体験」があります。1909(明治42)年、実業家・村井吉兵衛の歴史とともに誕生したこの洋館は、伊藤博文、大隈重信といった日本の偉人から、米国の財閥関係者まで数々の国内外VIPを歓待した「京都の迎賓館」でした。建物の名称である「長楽館」も、初代内閣総理大臣である伊藤博文が宿泊時に扁額へ揮毫した言葉に由来しています。
建築を手掛けたのは、立教大学の校舎なども手掛けたアメリカ人建築家ジェームズ・マクドナルド・ガーディナー。外観はルネサンス、内装にはロココ、アール・ヌーヴォー、ネオ・クラシック、さらには3階の和室(御成の間)に見られる書院造と、東西の建築様式が見事な調和を見せています。
2008年に新館を増築して誕生したホテル棟は、敷地の奥にひっそりと佇む全6室のみの構成。全室に薪やバイオエタノールの暖炉が備え付けられ、窓からは円山公園の四季や東山の稜線を望むことができます。マスプロダクション化された大型高級ホテルとは一線を画す、圧倒的なプライベート感と文化財に泊まる非日常が、感度の高い宿泊客を惹きつけてやみません。