日本の高校野球の最高峰である甲子園の舞台で、なぜ外国語の校歌が歌われるのか。その決定的な理由は、同校が辿ってきた独自の設立経緯にあります。
終戦直後の1947年、京都に在住していた在日朝鮮人の有志らが、子弟に対する民族教育の場を確保するために「京都朝鮮中学」を開校したのが同校の始まりです。その後、1958年に学校法人京都韓国学園として京都府から各種学校認可を受け、長年にわたり在日韓国人向けの教育機関として運営されてきました。
しかし、少子化や在日コミュニティの世代交代が進むにつれ、1990年代後半には生徒数が激減し、深刻な経営難と存続の危機に直面します。そこで学校改革の舵を大きく切り、日本の学習指導要領に準拠した正規の学校を目指す方針が固められました。
2003年に学校教育法第1条に定められた日本の正規校(いわゆる「一条校」)として京都府より認可を受け、2004年4月に「京都国際中学校・高等学校」へと改称。国籍を問わず広く一般の日本人や海外からの留学生を受け入れる男女共学の国際学校として再出発を果たしました。
一条校へと移行する際、校名や教育課程は日本の制度に合わせて刷新されましたが、学校の創立精神と先人への敬意を次世代へ継承するため、前身である京都韓国学園時代から歌い継がれてきた校歌は変更されることなく現在に至っています。