25年近いキャリアを通じて、津田直が一貫して問い続けているのは「人間とは何か」という根源的な問いだ。それを彼は、人間と自然の関係性を通して探求する。
私たちは自然の一部なのか、それとも外部者なのか。自然を支配できると考えるのは傲慢なのか。共生は可能なのか。再生は可能なのか。
津田の写真は、これらの問いに答えを出さない。答えを出すのは観る者の役割だ。彼はただ、問いかけ続ける。その姿勢こそが、アーティストとしての誠実さだと言えるだろう。
次世代へのバトン
教育者としての活動も、この問いかけの延長線上にある。津田は学生たちに技術を教えるだけでなく、「見ること」「考えること」「表現すること」の本質を伝えようとしている。
彼が育てた若い写真家たちが、それぞれの視点で世界を捉え、表現していく。それは津田直という一人の表現者の営みが、より大きな文化的潮流へと広がっていくプロセスだ。