今後の相場展開を左右する最大の変数は、日米の中央銀行による金融政策の舵取りです。米国では労働市場の軟化に伴い、FRBが年内複数回の利下げを実施する道筋が強固になりつつあります。対照的に、日本銀行は実質賃金の上昇と物価の好循環を背景に、極めて慎重ながらも金利正常化のステップを着実に進める姿勢を崩していません。
ここで議論されるのが為替介入の可能性ですが、急激な円高局面において通貨当局が円買い・ドル売り介入を行うことは構造上あり得ません。為替介入が発動されるのは、あくまで急激な円安進行によって輸入物価が高騰し、国民生活に直接的な打撃を与える局面に限られます。したがって、現在の円高・株安局面において政府の介入による相場反転を期待するのは的外れであり、市場の自律反発力を冷静に見極める必要があります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
相場の急変局面は、投資家のリテラシーとメンタルの頑健性を容赦なく試します。市場のノイズに巻き込まれて大損する投資家と、冷静に利益を積み上げる投資家の違いは、自身の投資戦略とリスク許容度の明確な境界線(心理的バウンダリー)を引けているかどうかに尽きます。
【今、積極的に買い向かってよい人の条件】
・手元資金の30%以上をキャッシュ(現金)として維持しており、追証や生活資金の懸念が皆無な人
・3〜5年以上の長期保有を前提とし、配当利回りやPBR1倍割れの是正といった本質的価値に着目できる人
・為替の影響を受けにくく、内需拡大や価格転嫁力に強みを持つディフェンシブ銘柄を精査できる人
【今、取引を控えて静観すべき人の条件】
・レバレッジ商品や短期信用取引で資金を限界まで回転させており、精神的な余裕を失っている人
・「今日の急落を明日すぐに取り返そう」と焦り、値動きの激しい半導体・新興グロース株に飛び付こうとする人
・SNSの煽り投稿や他人の損益画面を見るたびに心拍数が上がり、自分の売買ルールを守れない人