長年土曜夕方の顔として社会の陰部に光を当ててきた金平茂紀氏が、看板番組『報道特集』のレギュラーキャスターを降板した際の波紋は、今なおメディア界に大きな余韻を残している。単なる世代交代か、それとも政権やスポンサーへの配慮が生んだ降板劇だったのか。様々な推測が飛び交ったが、本人は一貫して「現場を離れるつもりはない」と公言していた。
言葉通り、降板後の金平氏が選んだのは、組織の看板に頼らない徹底した「個の取材」だった。戦火のウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区など、過酷な国際情勢の現場へ自費も含めて足を運び、カメラを回し続ける。大手メディアが安全策を取って引いたラインの先へ潜り込み、現地の人々の生の声を集める姿は、かつての特派員時代と変わらぬ青々とした執念を感じさせる。