SNSやネット掲示板の一部で「金刀比羅神社へ行くとカップルが別れる」「縁切りの力が強すぎる」といった噂を目にすることがあります。しかし、この言説には明確な歴史的混同と誤解が存在します。
京都に鎮座する「安井金平宮(安井金比羅宮)」が悪縁切りで全国的に著名であるため、同じ「こんぴら」の名を持つ香川の金刀比羅宮と混同されて情報が拡散された側面が一つです。また、相殿に祀られている崇徳天皇が、讃岐への配流という過酷な運命の中で一切の執着を断ち切った孤高の歴史から、「強い断ち切りの力」が連想された経緯もあります。
しかし、本来の神道教理において「縁切り」とは、他者との関係を理不尽に破壊することではありません。自らの成長を妨げる悪癖、病魔、不運、人間関係の共依存といった「悪縁」を断ち切ることで、初めて真の「良縁」を結ぶスペースが生まれるという論理です。参拝者の体験談でも、「迷いがあった人間関係を健全に見つめ直す決断ができた」「不要な執着が消え、新しい仕事の巡り合わせに恵まれた」といった前向きな変化を証言する声が多数を占めています。