ネット上の簡易レシピを試して「写真のようにならなかった」と感じる場合、ネット上で広まる幾つかの誤解や調理の盲点に原因があります。
代表的な誤解が「生焼けを防ぐために最初から蓋をして蒸し焼きにする」という行為です。フライパンに蓋をすると、肉から蒸発した水分が蓋の裏に水滴として溜まり、皮の上に落下します。結果として皮がふやけてしまい、せっかくのクリスピー感が完全に失われます。中までしっかり火を通したい場合は、皮目を蓋なしでじっくり焼き切った後、肉を裏返して最後の1〜2分だけ弱火で蓋をするか、余熱を利用するのが科学的に正しいアプローチです。
もう一つの落とし穴は「フライパンに溜まった油の放置」です。デリッシュキッチンの解説動画等でも触れられているように、鶏もも肉からは大さじ1〜2杯分もの脂が溶け出します。この脂を拭き取らずにタレを投入すると、タレが油に弾かれて肉に絡まず、油っぽくギトギトした仕上がりになってしまいます。調味料を入れる直前にキッチンペーパーでフライパンの余分な脂をしっかり吸い取ることが、名店の味を再現する決定的な分水嶺となります。