生物の進化史において、テントウムシが獲得した最大の武器の一つが「完全変態」と呼ばれる劇的な成長プロセスだ。昆虫生態学の視点から見ると、幼虫と成虫で異なる形態と生活様式を持つことは、同一種内での生存競争や食料の奪い合いを回避する見事な適応戦略と言える。
卵から孵化した幼虫は、脱皮を繰り返しながら猛烈な勢いで栄養を蓄える。この幼虫期における捕食活動が、後の立派な成虫への変身を支えるエネルギー源となる。その後、動かない「蛹(サナギ)」の期間を経て、あの愛くるしい丸い甲虫へと生まれ変わるのだ。無駄のない生命循環のメカニズムには、自然の造形美すら感じざるを得ない。