インターネット上の掲示板やSNSでは、「講師は教員採用試験に落ちた人の受け皿」「教諭の下位互換」といった短絡的な言説が散見されます。しかし、現場の実態を詳細に検証すると、あえて自ら講師の立場を選択している層が確実に存在します。
「あえて非常勤講師を選ぶ」プロフェッショナルの台頭
現在、教育現場で増加しているのが、副業やワークライフバランスの確保を目的に「非常勤講師」を意図して選ぶ働き方です。
正規の教諭になると、放課後の部活動指導、深夜に及ぶ保護者対応、膨大な事務書類の処理、登校指導など、授業以外の業務に拘束される時間が膨大になります。一方、時間契約の非常勤講師であれば、指定されたコマの授業を行うことのみが契約義務となるため、残業や部活動の負担を原則として負いません。
自らの創作活動を続けたい美術・音楽の表現者や、子育て・介護と両立したい有資格者、さらにはIT企業に勤務しながら高校の情報科目を教えるパラレルワーカーなど、専門性を純粋に授業だけに注ぎ込みたい人材にとって、非常勤講師は合理的なキャリアモデルとして再定義されつつあります。
【プロの結論】どちらを目指すべきか?向いている人の判断基準
教育に携わりたいと考えたとき、自身が正規教諭を目指すべきか、それとも講師としての道を選ぶべきか。判断基準は自身の価値観と人生設計に直結します。
- 正規の教諭を目指すべき人:
- 学級経営や行事を通じて、生徒の人間的成長に長期かつ全面的に伴走したい人
- 雇用と給与の安定性を最優先し、生涯設計を見通したい人
- 部活動指導や生徒指導を含め、学校教育全体を自らの手で動かしたい気概のある人
- 講師(非常勤・民間)という選択が適している人:
- 教科・学問の指導そのものに特化し、事務作業や部活動から解放されたい人
- 研究活動、創作活動、起業、子育てなど、他に主軸となる活動を並行して維持したい人
- 民間塾のように、生徒の成績アップや合格実績という数値成果に対して直接評価されたい人