日本の選挙報道を議論する上で避けて通れないのが、時代錯誤とも指摘される公職選挙法の存在だ。公平中立を名目に定められた過度な規制は、かえって有権者の判断材料を奪い、既存の大政党に有利な環境を作り出しているという批判が根強い。マスメディア各社は、候補者ごとの露出時間や扱いを秒単位で揃えることに汲々とし、結果として毒にも薬にもならない画一的な報道に陥りがちだ。
さらに、放送行政を管轄する総務省からの公平性要求に対して過剰反応を示すテレビ局の事案も少なくない。波風を立てることを恐れる姿勢が、政治への無関心を助長してきた側面は否めない。しかし、法的な制約の限界ギリギリを攻めつつ、視聴者が知るべき情報を伝えるための工夫は常に続けられている。報道の自主性と公平性のバランスをどこに保つべきか。言論の自由を守るための苦闘は、今もスタジオの裏側で繰り広げられている。