十年前、元総務相の増田寛也氏らが発表した一冊の報告書、通称「増田レポート」は日本社会に大きなショックを与えた。20〜30代の女性人口が急激に減少し、将来的に存続が危ぶまれる自治体を「消滅可能性自治体」と名付けた衝撃的な提起だ。
その後、民間有識者でつくる「人口戦略会議」がデータを改定し、最新の試算を公表した。そこにあったのは、改善どころか危機が一段と深化しているという冷徹な数字だった。全国の自治体のうち4割以上が依然として消滅の危機を脱しておらず、中には行政機能を自力で維持することが事実上不可能な領域に足を踏み入れている場所もある。
若年女性の減少は、将来の出生数減少に直結する。雇用や大学の選択肢が限られた地方から女性たちが去り、二度と戻らない循環が定着した結果、多くの町や村が「自然淘汰」のカウントダウンを迎えているのが現実だ。