農家が抱える最大の懸案は「稼げる仕組み」の構築だ。島根県農業協同組合(JAしまね)が提示した最新の改革案では、県内各地に点在する直売所の再編と集約が目玉として掲げられている。従来の直売所は地元消費者の利用が中心だったが、売場を観光拠点や物流ハブと一体化させる新店舗モデルの導入が進む。売れ残りのロスを減らし、需要に基づいた出荷予測システムを導入することで、生産者の利益率を平均15%以上引き上げる計画だ。
直売所の刷新にとどまらず、地域固有の特産品を「選ばれるブランド」に引き上げる施策も同時に動く。単に農産物を仕入れて売るだけの仲介業から脱却し、商品の包装やストーリー付け、販路開拓までをJAがパッケージで支援する。現場の農家からは「出荷価格が安定し、意欲がつながる」との肯定的な評価が上がり始めている。収益向上の成果が目に見える形となって表れ始めた。