IT重説を実際に体験した入居者の評判を検証すると、効率性への絶賛と同時に、オンライン特有の心理的盲点を吐露するリアルな声が浮かび上がってきます。
SNSや知恵袋、賃貸レビューコミュニティに寄せられた肯定的な意見の多くは、時間の融通に関するものです。「地方から東京への就職で、引っ越しシーズンにわざわざ上京する新幹線代4万円が浮いた」「平日の夜間、仕事が終わった20時から自宅のデスクで説明を受けられたので有休を温存できた」といった証言は枚挙に暇がありません。特に繁忙期の不動産店舗は混雑を極めるため、カウンターで周囲の視線や雑音を気にせず、自宅でリラックスしながら書類を確認できる点が高く評価されています。
反面、現場取材を通じて見えてきたネガティブな体験談には、オンラインならではの空気感が影響しています。
「担当者がものすごい早口で約款を読み上げていき、途中で質問したかったが雰囲気を遮るのが申し訳なくて『はい、大丈夫です』と相槌を打ってしまった」「小さなスマホ画面でPDFを拡大しながら見ていたため、最後のほうは内容が頭に入っていなかった」という告白です。対面であれば宅建士側が入居者の表情の曇りや手の止まり方を察知して「ここ、わかりにくかったですよね」と補足説明を挟むことができますが、カメラの画角越しでは微妙な心理的ニュアンスが脱落しがちです。その結果、本人が理解しないまま同意ボタンを押してしまうケースが頻発しています。