インフル後遺症の咳が止まらない?治らない理由と咳喘息の見極め方

インフル後遺症の咳が止まらない?治らない理由と咳喘息の見極め方

インフル後遺症の咳が止まらない?治らない理由と咳喘息の見極め方とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

インフルエンザの熱が下がったにもかかわらず咳が治らない最大の理由は、ウイルスが気道に残した「激しい炎症の爪痕」にあります。インフルエンザウイルスは気管や気管支の表面を覆う「気道上皮細胞」に直接感染し、細胞を破壊しながら増殖します。ウイルスが体内から消滅した後も、剥がれ落ちた粘膜が完全に再生するには数週間から2カ月程度の期間を要します。

粘膜が剥がれて無防備になった気道では、知覚神経(C線維や迷走神経)が外気にむき出しの状態になります。この状態を「気道過敏性の亢進(感染後咳嗽)」と呼びます。健康な状態であれば何でもないようなわずかな刺激、例えば「冷たい空気」「会話中の息の吸い込み」「エアコンの風」「香水や煙」「湯気」などに神経が過剰反応し、激しい咳反射を引き起こしてしまうのです。

インフルエンザの発症から咳が続く期間は通常2〜3週間程度ですが、免疫力の低下や空気の乾燥が重なると8週間近く長引くケースも珍しくありません。体内に病原体がいなくても、気道の修復工事が終わるまでは咳発作が続いてしまいます。

高橋 健太
Author

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。