公式統計が突きつける数字は、問題の根深さを改めて浮き彫りにしている。インド国家犯罪記録局 (NCRB)が公表したデータによると、年間数万件に及ぶ性犯罪件数が記録されており、被害届が出されない「暗数」を含めれば実際の被害規模は計り知れない。地方の司法判断の遅れや被害者への二次被害も、告発を躊躇させる要因として立ちはだかる。
加害者が身内や顔見知りで占められる割合が高いことも、被害の発覚を難しくしている。都市部の急激な人口増加とインフラ整備の不均衡は、街灯の乏しい路地や未整備の公共空間を生み出し、凶行の引き金となってきた。社会の沈黙を破り、実態を白日のもとにさらす作業は今なお途上だ。