代々木駅の改札を抜けて路地へ足を踏み入れると、色鮮やかな提灯の明かりと香ばしい炭火の匂いが立ち込めます。「ほぼ新宿のれん街」は、2017年3月に日本初の古民家再生プロジェクトとして産声を上げました。取り壊し寸前だった木造民家を、古き良き柱や梁の質感を残しながらモダンに蘇らせた空間デザインは、オープン当初からSNSを中心に大きな話題を呼びました。
さらに2026年には、隣接地に「倉庫別館」が増床オープンを果たしました。本館の持つ昭和レトロで親密な長屋の空気感と、別館のインダストリアルで天井の高い開放感が融合し、街区全体としての魅力が一段と強化されています。巨大な新宿駅南口エリアからも徒歩5分程度という抜群の立地でありながら、歌舞伎町のような雑踏とは一線を画す落ち着いた隠れ家感が、感度の高い大人たちの心を掴んでいます。
現場を訪れると、平日の夕方からスーツ姿のビジネスパーソンやクリエイター、休日はカジュアルな服装のカップルやグループで満席が続きます。昭和の情緒と現代的なクリエイティブが心地よく交差する空間構造こそが、流行り廃りの激しい東京の飲食シーンにおいて不動の地位を保ち続けている最大の要因です。