なぜ、これほどまでに愛されている店舗が営業を終了する決断に至ったのか。取材を進めると、外食・観光産業を取り巻く劇的な環境の変化と、築年数を経た入居ビルの耐震・設備老朽化という不可避な問題が浮き彫りになってきた。横須賀市役所の観光企画課や関係各所への取材により、単なる経営難による廃業ではないことが判明したのだ。
建物の設備維持費用がかさむ中、安全でより快適な環境でお客を迎えたいという店舗側の強い情熱が、今回の英断へとつながった。横須賀の観光振興に多大な貢献を果たしてきた同店だけに、関係者は「現在の場所での幕引きは寂しいが、未来に向けた前向きな決断だ」と口を揃える。歴史ある店舗の維持と近代的な安全基盤の確保という二律背反の課題に、真摯に向き合った結果だった。