メディアやネット上で定期的に浮上する「韓国からの米軍撤退・削減」というシナリオですが、これには米国の政治力学と安全保障戦略が深く絡んでいます。特に注目されるのが、トランプ氏の在韓米軍削減方針や同盟国に対する「ただ乗り論」への警戒感です。
撤退や削減が議論に上がる主な理由は以下の通りです。
- 同盟国のコスト負担要求:「アメリカが他国の防衛を一方的に肩代わりする筋合いはない」とする取引型の外交アプローチ。
- 戦略的柔軟性(Strategic Flexibility)の追求:在韓米軍を朝鮮半島防衛に縛り付けず、台湾海峡など中国を睨んだ広域展開部隊へ転換させたい米軍側の思惑。
- 米国内法による歯止め:米国防権限法(NDAA)により、議会の承認なしに在韓米軍を一定規模(2万8,500人枠)以下に削減することは法的に制限されている。
全面撤退という極端なシナリオは、東アジア全体のパワーバランスを一気に中国・北朝鮮優位に傾かせるため現実的ではないものの、防衛費交渉や世界戦略の見直しを背景とした数千人規模の部分的削減や部隊構成の組み替えは、今後も十分に起こり得る現実的なシナリオとして注視されています。