ハーゲンダッツが断続的な値上げに踏み切ってきた背景には、ブランドの生命線である「品質保持」と、避けて通れない「世界的なコスト急増」という2つの要因が深く絡み合っています。
最大の要因は、乳原料をはじめとする原材料費の高騰です。ハーゲンダッツのアイスクリームは、厳選された北海道産の新鮮な生乳と生クリームを惜しみなく使用しています。しかし、酪農家の飼料代高騰や人手不足に伴い、生乳取引価格は引き上げが続いてきました。さらに、フレーバーの核となるマダガスカル産バニラビーンズや、世界的な需要急増に見舞われたカカオ豆(チョコレート原料)の市場価格が高騰したことも直撃しました。
加えて、製造工場を動かす電気・都市ガスなどのエネルギーコストの上昇、包材資材の価格上昇、さらには全国へ安全にマイナス温度帯を維持して運ぶための冷凍物流費・ドライアイス調達費の増大が重なりました。高品質な素材と徹底した温度管理を妥協しないプレミアムアイスだからこそ、コスト吸収の限界を超えた段階で定価改定という決断が下されてきたのです。