童磨の狂気は、鬼になる前の幼少期からすでに芽生えていた。新興宗教「万世極楽教」の教祖の家に生まれた彼は、生まれつきの珍しい虹色の瞳と白銀の髪ゆえに「神の声を聴く特別な子」として崇め立てられる。しかし、幼い童磨の心にあったのは神性ではなく、ただの冷ややかな客観性だった。
すがる信者たちの愚かさを哀れみ、死を恐れる人々の感情を解せないまま成長した童磨。両親が悲惨な死を遂げた際にも、彼の心には涙一筋すら浮かばなかった。鬼舞辻無惨と出会い鬼となったことも、彼にとっては悲劇ではなく、無感情な日常の延長線上に過ぎなかったのだ。