交差点を南へ折れると、すぐに京都大学吉田キャンパスの赤レンガ門が見えてくる。かつて大学周辺の名物だった「タテカン(立て看板)」を巡る議論は、撤去運動や規制を経て新たな表現フェーズに入った。
「以前のような過激な政治スローガンは減りましたが、表現の表現様式が変わっただけです」と、現役の学生は語る。現在の立て看板には、自主映画の告知、哲学的な問いかけ、デジタルアートのQRコードなどが描かれ、街を行く人々に問いを投げかけている。
大学の敷地と街の境界線が良い意味で曖昧なのが、この場所の最大の強みだ。講義を終えた学生がそのまま交差点近くの定食屋になだれ込み、隣のテーブルに座る教授と議論を始める。この知的カオスこそが、街全体に絶え間ない活力を注入し続けている。