「中国産うなぎは危険」という強い警戒感が日本国内で定着した背景には、2000年代前半に相次いで発覚した合成抗菌剤「マラカイトグリーン」の検出問題や、基準値を超える残留農薬の検出事故が存在します。マラカイトグリーンは安価で水カビ病などを防ぐ効果が高かったものの、遺伝毒性や発がん性の疑いから世界的に食用魚への使用が禁止されました。当時の報道映像や連日のニュースが、今なお消費者の記憶に強烈な不信感として残っています。
しかし、この事態を重く見た日本政府は2006年にポジティブリスト制度を導入。原則としてすべての農薬・動物用医薬品に対して一律基準(0.01ppm)を設け、基準を超えた食品の流通を即座に禁止する世界最高水準の規制を敷きました。
現在、日本へ輸出される中国産うなぎは、中国税関当局(旧CIQ)による工場登録制・事前サンプリング検査に加え、日本の厚生労働省が所管する検疫所において「輸入食品等モニタリング検査」および命令検査が継続的に実施されています。公式の輸入食品監視統計によると、うなぎ加工品における有害物質の検出違反率は極めて低く、基準を満たさないロットは水際で廃棄または積み戻し処分となるため、正規ルートで市場に出回ることはありません。