作品世界を構築する根幹として期待を集めるのが、冨樫義博と新海誠という異色のタッグだ。綿密な世界観と人間心理の深淵を描き出す冨樫義博の重厚なシナリオ構成力。そこに、美しく抒情的な光の描写と圧倒的な美意識を吹き込む新海誠の映像世界が重なり合う。
これまで相容れないと見なされていた二つの個性が組み合わさることで、観客は未知の感情体験へ引き込まれることになる。キャラクターたちの台詞ひとつひとつに張り巡らされた伏線と、美しい景色の中に潜む狂気が同居する世界観は、アニメ史に刻まれるレベルの化学反応を引き起こしている。