大勢の観光客が集まるメインルートを離れ、静寂のなかで歴史ロマンに浸るための独占的な散策方法がある。早朝の澄んだ空気のなか、法隆寺の南大門をスタートし、かつて聖徳太子の住まいがあった東院伽藍(夢殿)へと抜ける小道だ。土塀が続く小径は、昼前のラッシュ時には見られない静謐な表情を見せる。
さらに脚を伸ばし、太子の学問所であったとされる中宮寺から、田園風景の広がる中宮寺跡へ。道中、地元の方々が手入れをする花壇や柿畑が広がり、季節ごとの彩りが旅人を迎える。観光ガイドブックには載らないこの裏道ルートこそ、現地を歩く者だけが味わえる至福の体験といえる。