試合の流れが一変したのは、8回裏の攻防だった。1点リードを許す苦しい展開の中、相手バッテリーのわずかな隙を見逃さず、果敢に次の塁を狙ったランニングプレースメント。ベンチからの指示を待つ前に、走者が瞬時に判断を下したあのアグレッシブな走塁こそが、逆転への扉を開いた。
相手投手の決め球である切れ味鋭いスライダーに対し、打席に立った主将は極限までバットを短く持ち、ファールで粘り続けた。実に11球目。甘く入った直球を鋭く弾き返した打球は、ライト線を破る同点適時打となる。泥だらけのユニフォームで二塁上に立ち、力強く拳を突き上げた姿に、チームの執念が凝縮されていた。