悪魔のおにぎりが世に知られるきっかけとなったのは、テレビ番組で紹介された第57次南極地域観測隊の調理エピソードでした。極夜が続き、厳しい寒さと過酷な任務に従事する隊員たちのために、調理を担当していた渡貫淳子氏が夜食として考案したのが始まりです。
過酷な環境下で働く隊員にとって、食事は最大の娯楽でありエネルギー源。ある夜、余った天かす(揚げ玉)と青のり、めんつゆをご飯に混ぜ込んで握ったところ、隊員たちの間で「夜中に食べたら絶対に太ると分かっているのに、美味しすぎて理性が保てない」「これは悪魔の食べ物だ」と評判になりました。この「太る背徳感と抗えない旨さ」こそが、悪魔のおにぎりという強烈な名前の由来です。
シンプル極まりない材料でありながら、一度口にすると箸ならぬ手が止まらなくなる中毒性。このエピソードがメディアで報じられるや否や、SNS上では「試してみたら本当に止まらない」「名前の通り悪魔的だ」と瞬く間に拡散され、日本中の食卓を席巻することになりました。