「名門のユニフォームを着る」ということは、それだけで重いプレッシャーを背負うことを意味する。周囲からの期待、OBからの熱い視線、そしてベンチに入れなかった仲間たちの思い。辻もまた、その重圧と無縁ではいられなかった。
スランプに苦しみ、打撃フォームを見失いかけた時期もあったという。しかし、彼が選んだのは逃げ道を探すことではなく、己の弱さと真っ向から向き合うことだった。指導陣からのアドバイスを愚直に吸収しつつ、自身の身体感覚と徹底的にすり合わせる作業を繰り返した。その愚直な姿勢が、結果として打席での圧倒的な存在感へと昇華していったのだ。