本作の真骨頂は、心揺さぶるヒューマンドラマでありながら、一歩先が読めない緻密なサスペンスの要素が完璧に融合している点にある。物語の軸となるのは、現代社会で必死に生きる若者たちの現実を描いたお仕事系ドラマのリアルさだ。
坂元裕二特有の軽妙でありながら胸に突き刺さる対話劇は健在。日常の何気ない会話の中に張り巡らされた伏線が、物語の中盤以降、怒涛の展開を見せる。登場人物たちが直面する葛藤や社会の不条理。リアルな痛みを伴いながらもどこか救いのあるストーリーテリングは、観る者の心を深く捉えて離さないだろう。