1944年9月、中国雲南省の松山(ソンシャン)が陥落した直後、米軍従軍カメラマンのウォルター・ストラウド陸軍兵長が撮影した一枚のドキュメンタリー写真は、あまりにも有名だ。そこには、身重の身体を抱え、疲れ果てた面持ちで佇む朴永心(パク・ヨンシム)氏の姿があった。泥壁の前に集められた4人の女性たちの視線は定まらず、戦火の混乱と極限状態の恐怖を生々しく物語っている。
戦場における写真報道・フォトジャーナリズムは、時にプロパガンダの道具として利用される危うさを孕む。しかし、戦線後方の野戦病院や捕虜収容施設で記録されたこれらのスチール写真は、演出された劇的な瞬間ではなく、戦況のリアルタイムな報告書として作成された。兵士たちの冷淡な視線と、過酷な境遇に置かれた女性たちの対比は、報道写真が持つ本来の告発性を静かに宿している。