需要の急増は、必然的に供給側のモラルハザードを引き起こす。利益を最優先する悪質なペット産業の現場では、十分な遺伝的検証を行わずに小型個体同士を乱繁殖させたり、子犬の時期に必要な食事制限を強いて人工的に発育不全を起こさせたりする手口が横行してきた。こうした環境で生まれた個体は、成長期に急激に骨格が伸び、結果として「普通の柴犬サイズまで巨大化した」というトラブルが頻発している。
外見のサイズ問題以上に深刻なのが、遺伝性疾患のリスクだ。無理な小型化は、膝蓋骨脱臼(パテラ)や水頭症、股関節形成不全といった深刻な骨格・神経系のトラブルを引き起こす確率を高める。ペットショップで購入した数年後、高額な医療費と介護の負担に押しつぶされる飼い主の存在は、決して珍しい例外ではない。