Q1:原作小説と映画版で直貴の夢が「お笑い」から「バンド」に変わったのはなぜですか?
A1:映画という映像・音響メディアにおいて、言葉による漫才よりも音楽のほうが観客の感情を直接揺さぶりやすく、ラストシーンの慰問ライブで圧巻の演出効果を発揮できると判断されたためです。主題歌や挿入歌のメロディが兄弟の切ない心情をより際立たせる結果となりました。
Q2:兄の剛史はなぜ弟に無邪気な手紙を送り続けたのですか?
A2:刑務所という閉ざされた世界の中で、剛史にとって弟との文通だけが唯一の生きがいであり心の拠り所だったためです。しかし同時に、自分の犯した罪が外の世界で弟の人生をどれほど破壊しているかについて、刑務所内の剛史は想像が及んでいませんでした。この「善意の無神経さ」が物語の残酷さを際立たせています。
Q3:ラストシーンで直貴が歌えなくなったのはなぜですか?
A3:客席の奥で合掌しながら自分を見つめる兄の姿を目にし、兄に対する激しい愛憎、断ち切ろうとした絆の強さ、そして兄が背負う罪と自らの人生が不可分であることを痛烈に実感したからです。溢れ出す感情の奔流によって声が出なくなる描写は、本作最大の涙腺崩壊シーンとなっています。