2002年に講談社より単行本(当時のタイトルは『トキオ』)として世に出て以来、文庫化を経て累計発行部数は驚異的な数字を記録し続けている。原作小説の最大の魅力は、昭和54年という時代の空気感と、東野作品らしいスリリングなサスペンス要素の融合だ。
かつてのNHK版ではヒューマンドラマの側面が強調されたが、原作では謎の失踪事件や裏社会の影が色濃く絡み合う。もし新たな実写化が実現するならば、原作に忠実なダークトーンと骨太なサスペンスの復権が期待される。時代設定をどう翻案するのか、現代のコンプライアンスや世相をどう反映させるのか――原作ファンの間でも議論は尽きない。