1993年から1994年にかけて実施された徹底的な取り壊し工事により、魔窟と呼ばれた要塞は完全に姿を消した。現在、その跡地は緑豊かな九龍寨城公園として整備され、市民や観光客の憩いの場となっている。かつての喧騒や悪臭、迷宮の圧迫感はそこにはない。敷地内に残る南門の遺構や古い大砲が、過去の輪郭を静かに物語るのみだ。
だが、美しく整えられた公園を訪れる人々が探しているのは、小ぎれいな東屋ではなく、かつて空を覆い尽くしていた巨大なコンクリートの残影だ。過剰に管理され、均質化していく現代の都市空間において、人間の剥き出しの欲望と生活力によって作られたあの無秩序な要塞は、失われた野生の記憶として人々の心に残り続ける。クーロン城という伝説は、解体によって消え去るどころか、人々の記憶と物語の中で永遠に拡張を続けている。 (出典: クーロン 城(Yahoo!ニュース))
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