ジミー入枝のキャリアを語る上で欠かすことができないのが、日本の音楽史に燦然と輝く名グループ「ザ・キングトーンズ」、探求の原点となった師・内田正人との師弟関係である。かつて「グッド・ナイト・ベイビー」で全米チャートを賑わせた内田正人の超絶的なハイテナー・ヴォイスと圧倒的なステージ表現力は、若き日のジミー入枝に決定的な影響を与えた。
単なるスタイルの模倣ではない。内田から学んだのは、歌詞の一音一音に魂を込め、観客の心へダイレクトに届けるための表現哲学だった。楽屋での厳しい指導や、酒を酌み交わしながら語り明かした音楽論。それらはすべて、ジミー入枝の血液となり、彼のステージ上でいまも脈々と生き続けている。師から手渡されたバトンを抱きしめ、彼は今日もマイクの前に立つ。