天気予報がこれほど高精度になった現代において、なぜ地震の予知だけは実現できないのでしょうか。そこには地球内部を観測する上での物理的な絶対障壁が存在します。
気象庁は公式見解として、「現在の科学的知見では、確度の高い地震予知を行うことは極めて困難」と公表しています。地震予知が成立するためには以下の3要素が不可欠です。
1. 発生時期(例:〇月〇日の〇時頃)
2. 発生場所(例:〇〇県沖の〇〇断層)
3. 規模・マグニチュード(例:M7.0前後)
震源となる地下数十キロのプレート境界面や断層は、人間が直接目視したりセンサーを敷き詰めたりすることができません。さらに、プレートにかかる強大な応力が岩盤の摩擦限界を超えて「いつ破壊を開始するか」は、物理的に極めて複雑な非線形カオス現象です。直前まで目立った前兆が現れないケースも多く、現在の科学技術をもってしても発生の引き金となる瞬間を事前に捉えることは不可能です。