イギリスでは天候の話題がコミュニケーションの潤滑油として不可欠だ。とりわけ弱く降る雨に対する表現の細かさは群を抜いている。日本語の「しとしと降る雨」や「小雨」「霧雨」に対応する英語を使い分けることで、会話の深みが一気に増す。
最も一般的なのは「drizzle」だ。細かく霧のような雨が連続して降る様子を指し、天気予報でも定番の用語である。一方、雨が降り始めたばかりで、ぽつぽつと肌に数滴当たる程度なら「It’s spitting」と表現する。「spit」(唾を吐く)に由来するこのフレーズは、傘を開くべきか迷う瞬間のリアルな空気感を余すところなく伝えてくれる。