生涯独身だったとはいえ、恋の話が無縁だったわけではない。若き日の宝塚時代から映画界での全盛期に至るまで、共演者や文化人との熱愛説がゴシップ誌を賑わせたこともあった。特に共演機会の多かったスター俳優たちとの関係は常に注目を集めた。
だが、淡島は自身の私生活を誇示することなく、常にプライバシーと女優としてのパブリックイメージを厳格に分けていた。噂になった相手に対してもサバサバとした態度を貫き、後腐れない友人関係へと昇華させてしまうのが彼女の流儀だった。情に厚く親分肌な性格から、後輩やスタッフからも深く慕われ、独り身であっても彼女の周りには常に温かい人間関係が溢れていた。