講義中の鍋という奇行がネットカルチャーとして定着した背景には、古くから語り継がれる京都大学の学風伝説が関係しています。
京大にはかつて「教室内で学生が鍋を煮始め、激怒するかと思われた教授が『煮えたら一杯くれ』と言って講義を続けた」「麻雀やコタツを持ち込んでも講義の本質を突けば不問に付された」といった、自由な学風と豪快な教官を象徴する伝説的なエピソードが口伝されていました。これらは一種のアカデミックな武勇伝として、ネット掲示板でも面白おかしく語り継がれてきた歴史があります。
ところが2010年代半ば以降、SNSの普及に伴ってこの文脈が大きく変質しました。本来の知的背景や講義への敬意を欠いたまま、「目立ちたい」「度胸試しをしたい」という短絡的な動機から真似をする学生が現れ、単なる迷惑行為としての鍋動画が量産されるようになった経緯があります。