昭和の政界を語る上で欠かせないのが、田中角栄との強固な盟友関係だ。「大角ライン」と呼ばれた二人の蜜月は、高度経済成長期の自由民主党を動かす強力なエンジンとなった。豪快で実行力に長けた田中と、慎重で理論派の彼。性格も手法も対極に位置する二人が手を組んだことで、大型のインフラ整備から外交の大転換まで、劇的な政治の推進力が生まれた。
しかし、その関係は常に順風満帆だったわけではない。四十日抗争に代表される党内の泥沼の派閥抗争において、彼は自らの政治的信念と派閥の論理との間で激しく苦悩した。権力の魔力と党内抗争の波に飲まれながらも、最後まで自らの政治スタイルを貫こうとした姿勢は深い余韻を残している。