歴史研究の最前線で起きている意識の変化は、現代のポピュラーカルチャーにも直接的な波及効果をもたらしている。明治末期の北海道を舞台にアイヌ文化や北方史のディテールを圧倒的なリアリティで描いた映画『ゴールデンカムイ』の爆発的なヒットは、これまで一般には馴染みの薄かった北方の歴史や文化に対する関心を一気に高めた。
さらに、こうした動きは国内にとどまらない。Netflixなどのグローバルな映像配信プラットフォームを通じて、日本の歴史ドキュメンタリーや北方文化に光を当てたコンテンツが世界中で視聴される時代が到来している。日本史=サムライと京都、というステレオタイプな理解を超え、北方の壮大な自然と多様な民族が織りなす歴史ドラマは、海外の視聴者にとっても新鮮で刺激的なテーマとして受け入れられている。