ロサンゼルスのドジャースタジアムのスタンドで球場に足繁く通う古参ファンに話を聞くと、意外な答えが返ってきた。「彼個人の人柄やプレイに文句をつける奴はまずいない。だが、テレビをつければ朝から晩まで彼の顔ばかり。試合に負けても彼がホームランを打てば大成功かのように報じるメディアの姿勢に、心底辟易しているんだ」。
熱狂的な支持派が「歴史上最高の選手」と讃える一方で、反対派やアンチとされる層が抱く最大の不満は、選手本人ではなく過度な「神格化」にある。全米のスポーツメディアがこぞって大谷翔平の日常の一挙手一投足を追いかけ、他チームや他選手の活躍がかすんでしまうことへの反発が、「嫌い」という拒絶反応となって表出しているのだ。
さらに、ライバル球団のファンから見れば、資金力に物を言わせる巨大都市球団への移籍劇も怒りの火種となった。勝利を独占するかのような構図が、地方都市のファンに孤立感と「面白みの欠如」を感じさせている事実は否定できない。