発症患者の証言を分析すると、完全な破裂に至る数時間から数日前に、大動脈解離に伴う局所的な痛みが現れているケースが多い。「背中の真ん中が引っ張られる感覚」「肩甲骨の間を移動する重い痛み」など、一般的な肩こりや腰痛と誤認されやすい症状がそれだ。特に痛みが「上から下へと移動する」感覚は、解離が動脈に沿って進行している典型的なサインである。
現在、医療機関では超急速CT撮影装置や高精度血管造影(アンギオグラフィー)が導入され、発症直後のわずかな解離面も数秒で特定可能となった。微小な異変を感じた時点で躊躇なく専門外来を受診する決断が、破裂という最悪の事態を未然に防ぐ決定打となる。