事件の凄惨さは、表現の世界にも大きな影響と波紋を与えた。2004年に公開された映画『コンクリート』は、事件の実質的な映像化として制作段階から猛烈な抗議と上映反対運動に晒された。表現の自由と被害者感情の衝突は、映画界全体に強い緊張感をもたらした。
時が下り、NetflixやAmazon Prime Videoなどの大手グローバル動画配信プラットフォームが普及した現代では、実在の凶悪事件を題材とした犯罪ドキュメンタリーが世界的なトレンドとなっている。これにより、事件を知らない若い世代にも当時の異常な犯罪像が再共有される機会が増えた。
しかし、エンターテインメントとしての消費が先行することへの批判も根強い。単に視聴者を惹きつける刺激的なコンテンツとして事件を消費するのではなく、事件の本質と犠牲者の尊厳を守りながらどのように歴史的記録として配信していくべきか、表現者とプラットフォーム側には極めて重い倫理的責任が課されている。