急性膵炎を繰り返すと、組織が硬化して機能が低下する「慢性膵炎」へと移行します。慢性膵炎は単に消化酵素の分泌が衰えるだけでなく、より深刻な疾患を引き起こす要因となります。
膵臓疾患の権威である日本膵臓学会が発表した臨床指針や、国立がん研究センターが蓄積してきた大規模な疫学調査データによると、慢性膵炎患者の膵臓がん発症リスクは、健常者に比べて極めて高い水準にあることが裏付けられています。膵臓は腹部の奥深くに位置するため病変の早期発見が難しく、発見時には進行しているケースが少なくありません。だからこそ、一次予防と初期の炎症コントロールが、生命予後を左右する絶対的な分岐点となります。