現在、電子書籍市場が隆盛を極めるなかでも、Amazon Kindleをはじめとする電子プラットフォームでこの写真集が配信される気配は一切ない。古書市場やネットオークションでは、今なお当時の定価を遥かに上回るプレミアム価格で取引が続いている。
復刻が絶望視される最大の理由は、出版業界特有の複雑怪奇な権利の壁にある。羽賀研二がその後に辿った逮捕や実刑判決といった刑事事件の経緯、そして肖像権や出版権の帰属問題が幾重にも絡み合い、大手出版社が再配信に踏み切ることは商業的にも極めてリスクが高い。結果として、この作品は「平成が生んだ最大のアンタッチャブル」として、永遠に紙の古書の中に封じ込められることになった。