真如苑の教義的基盤は、千二百年以上の歴史を誇る真言密教の伝統と、釈迦最後の教えとされる『大般涅槃経』に由来する大乗仏教の教えが見事に融合した点にある。京都の古刹であり、真言宗醍醐派の総本山として知られる醍醐寺との深遠な歴史的・教学的交流を通じて、真如苑は伝統的な密教の法脈を正統に継承してきた。
同時に、密教の奥義を専門の僧侶だけにとどめず、現代社会に生きる一般の人々が日常のなかで実践できる「在家仏教」として再構築した点が革新的であった。出家して山に籠もるのではなく、家庭や職場という現実の生活空間の中で利他の行を実践する。この親しみやすくも深い教理構造こそが、多様な背景を持つ人々を惹きつけてやまない理由である。