「テレビから消えた」という表現は、彼に対して全く当たらない。かつて『アメトーーク』などの人気番組で空前絶後の爆発力を発揮していた頃から、彼の笑いの根底にあったのは視聴者ウケへの媚びではなく、純粋な偏愛とマニアックな視点だった。
現在のお笑い芸能界は、ひな壇でのトークやSNS拡散を前提とした情報系バラエティが主流を占めている。しかし、彼が本質的に愛するのは計算し尽くされた緻密なコントであり、自身の世界観を壊してまでテレビの枠組みに固執する理由が彼には見当たらないのだ。制作会社ディレクターは「井上さんは番組の数字のために自分を安売りしない。それが結果としてTV出演を絞っているように見えるだけの話だ」と証言する。