椎名林檎と東京五輪開会式|幻の演出案白紙とチーム解散の真相

椎名林檎と東京五輪開会式|幻の演出案白紙とチーム解散の真相

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東京五輪のクリエイティブ構想が最も輝いていた瞬間は、皮肉にも本番の5年前、2016年8月のリオ五輪閉会式でした。雨のマラカナン・スタジアムで披露された約10分間のフラッグハンドオーバーセレモニーは、椎名林檎が音楽監督を務め、振付演出家のMIKIKO、電通の佐々木宏氏や菅野薫氏らがタッグを組んで制作されました。

中田ヤスタカ氏のサウンドと椎名林檎の「ちちんぷいぷい」「望遠鏡の外の景色」を巧みに織り交ぜた楽曲アレンジ、青森大学男子新体操部の肉体を駆使したダイナミックな演舞、そしてAR(拡張現実)技術と「マリオ」に扮した演出は、国内外の主要メディアから「五輪史上もっとも革新的で洗練されたセレモニー」と最大級の賛辞を浴びました。

この歴史的成功を受け、大会組織委員会は2018年7月、東京2026開閉会式4式典(オリンピックおよびパラリンピックの開会式・閉会式)を統括する「総合演出チーム」の立ち上げを公式発表します。チーフ・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに狂言師の野村萬斎氏を据え、椎名林檎、MIKIKO、映画監督の山崎貴氏、川村元気氏ら日本のトップクリエイター8名が結集した体制は、まさにカルチャーの総力を結集したドリームチームでした。

当時の椎名林檎は、メディアのインタビュー取材において「日本の伝統芸能が持つミニマリズムと、現代のテクノロジーやポップカルチャーを融合させ、誇示するのではない奥ゆかしい日本を世界に見せたい」と強い意気込みを語っていました。4式典をひとつの壮大な物語として編み直す骨太なコンセプトは、この段階で確かに息づいていたのです。

木村 陽翔
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木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。