静岡県浜松市に本社を置く三立製菓株式会社。同社が1964年に市場へ投入したのが、この伝説的商品である。当時の日本の製菓業において、パン生地をベースにしたスナック菓子にチョコレートを均一に塗布する技術は、極めて難易度が高い試みだった。
この革新的なアイディアを推進したのが、同社の基礎を築いた実業家・松島富蔵の精神を受け継ぐ現場の職人たちだ。カンパンや源氏パイの製造で培われた高度な焼き上げ技術を応用。独特のパン生地は焼き上がりの水分量調整が極めてシビアだったが、幾度もの試行錯誤を重ねて理想的な食感にたどり着いた。
「子どもたちに安くて本物の美味しさを届けたい」。その愚直なまでのこだわりが、駄菓子というジャンルに新たな金字塔を打ち立てた瞬間だった。